目次
行動する前に覚悟を整え、本気で挑むタイミング
「人生の土台」を本気で作る2年半のスタート
2025年5月25日。
土星が牡羊座に入ります。
火の始まりのサイン・牡羊座に「責任」と「構造」の土星がやってくるとき、
私達はただ衝動で走り出すのではなく、「なぜそれをやるのか?」を自分に問いかけることになります。
一歩踏み出す前に、必要なのは勢いよりも覚悟の2年半。
そもそも牡羊座は、内側から湧き上がる初期衝動でスタートの壁を壊すサイン。
始める力と行動力は抜群ですが、継続力や、計画性に欠けることもあり、理想を現実にするまでの持続力や形にする力が伴わないことがあります。
そこに土星が入ってくることで、牡羊座の「始める力」に土星の「計画性」や「構築力」が加わり、勢いに「現実性」という骨組みが与えられます。
ということで、今回の牡羊座入りする土星は、「本気のスタート」とはどういうものかを、じっくりと私たちに問いかけ、理想を現実に落とし込む力を鍛えていきます。
土星が動くと社会が動く
土星は「個人の現実」と同時に、「社会の構造」や「時代の空気感」にも深く関わる天体です。
それが牡羊座という“始まりのサイン”に入るということは、社会そのものが新しいスタートの構えを取り始めるということ。
ただしそれは、勢いだけのスタートではなく、責任や覚悟が求められる「本気の起動」。
制度や価値観のリセットと再構築が進む今、どんな未来像が“現実的に実行できる形”で設計されていくのかが問われていく感じの2年半になりそうです。
*土星が魚座にいた2年半(2023.3〜2025.5)
曖昧なものに“形”を求められた時期
2023年3月から始まった土星魚座期は、「見えないもの・感じるもの・癒し・信念」といった、形にしにくい領域に対して、現実的な問いや責任が突きつけられた時間でした。
主な社会的テーマや動き
・「感情」「癒し」「信仰」「直感」など曖昧な領域の現実化が求められた。
・境界線が溶ける(物理・心理的)=AI、メタバース、リモート化、ジェンダー意識の流動化。
・精神的なテーマの制度化(メンタルヘルス/ケア労働の社会的認知)。
・混乱した情報環境の中で「何が真実か?」という疑念が広がる。
・現実逃避・過剰なスピリチュアリズムへのブレーキ。
・被害者意識、コンプライアンスやハラスメントなど共感疲労の増加。
→ 「共感にも構造を」が問われた。
*土星が牡羊座にいる2年半(2025.5〜2028.4)
始める覚悟と、続ける責任。新しい社会の“骨組み”を整える時期
魚座で曖昧だったものに区切りがつき、土星が牡羊座に入ると、社会は「動き出すこと」に対して明確な意思と責任を求められるようになります。
ここからの2年半は、リーダーシップ・自立・決断の質を社会が問い直す時期へ。
主な社会的テーマや動き
この時期は、単なる義務感や努力だけでは測れない、
“自分の人生にどう向き合うか”という誠実さが問われていきます。
ここで言う「リーダーシップ」とは、誰かを率いる力ではなく、
自らの人生に対して、自分が責任ある“リーダー”として立つこと。
誰かに決めてもらうのではなく、
誰かの正解をなぞるのでもなく、
「私は何を選び、どう生きるのか?」という問いに、自分自身で答えていくこと。
それこそが、社会がこれから求めていく新しいリーダーシップの形であり、
その価値観が、静かに、しかし確実に広がっていくタイミングとなるでしょう
自分自身の人生の舵を取る力を、一人ひとりが磨いていくこと。
それがやがて、主体性のある社会の土台を築く力となっていくはずです。
次は、土星が「私の人生のどこを整えようとしているのか?」を見ていきましょう。
土星が通るハウスが示す「私の人生の筋トレゾーン」
トランジット土星の影響は、社会だけでなく、私たち一人ひとりの人生にもじわじわと届いてきます。
その影響を読み解くうえで大切なのは、土星が今、自分のネイタルチャートの「どのハウスを通過しているか」を知ること。
土星がどのハウスを通るかによって、私達はそれぞれ異なるテーマで「整える力」「耐える力」「続ける力」「責任感」を問われます。
それはまるで、人生の中の「筋トレゾーン」。
少しキツく感じる場所だけれど、じっくり向き合えば、確かな強さと安定した現実を築くことができる場所です。
今、自分の牡羊座がどのハウスにあるかを確認してみましょう。
そこが、これから約2年半、土星がじっくりと鍛えてくる「筋トレゾーン」です。
土星が通過するハウスのテーマは、時にキツく感じられることがあるかもしれません。
でも、今そこでじっくり向き合い、コツコツと積み重ねていくことで、そのテーマに関しての、揺るがない基盤と“続ける力”がしっかりと鍛え上げられていきます。
トランジット土星 × ネイタル天体
〜人生の“地ならし”が起きるテーマ〜
土星の通過による影響は、「どのハウスを通るか」だけでなく、
トランジット土星がネイタル天体とどんなアスペクトを取るかによっても大きく変わってきます。
アスペクトとは、“星同士がどんな角度で関わるか”という配置のことで、
その角度によって、どんなテーマが浮かび上がるか・どんな形で影響が現れるかが異なります。
土星の場合、
・負荷がかかる角度(ハード)では試練やプレッシャー
・調和の角度(ソフト)では成熟や安定性の力
として働くことが多いのが特徴です。
0度(コンジャンクション)
→ 最も影響が強い角度。テーマそのものに“現実的な課題”が突きつけられる。
強制的に整える/仕切り直す/現実と向き合わされる感覚。
※ここで土星の重さが直接的に実感されやすい。
90度(スクエア)
→ 困難を通じて成長を促す“試練の角度”。
現実とのギャップが明確になり、軌道修正や努力を求められる。
ストレスも大きいが、乗り越えると確かな力になる。
180度(オポジション)
→ 対人関係や環境を通して“バランス”や“責任”を学ぶ配置。
外側との摩擦をきっかけに、自分の在り方を調整させられる時。
他者を鏡にして、自分の課題を直視させられる。
120度(トライン)
→ 安定や成熟を助けてくれる“成長の土台”。
無理なく整えられる時期で、努力が形になりやすい。
長期的にじっくりと成果を築くサポートをしてくれる配置。
60度(セクスタイル)
→ チャンスを活かす意志と整える力が試される“能動的サポート”。
少しの行動で物事が進みやすくなるが、受け身だと気づかれにくい。
“自分で取りに行く努力”と相性が良い角度。
サビアン度数 × 土星で見る「魂の筋トレ」前半と後半
トランジット土星の動きは、サインだけでなく通過する“度数”の質によっても、
影響のテーマや人生の問いかけが少しずつ変化していきます。
・牡羊座1〜15度=“内なる始まり”を鍛え直すような時期。
・牡羊座16〜30度=“社会の中での持続”と“実践の力”が問われる時期。
土星がどのタイミングでどの度数を通過するのかを知ることで、
「内側で力を育てる時期」と「社会の中で実践していく時期」の流れを読み解くことができます。
土星は、ただ、ゆっくりと。
でも確実に、人生の足場を固める力を育てていきます。
この2年半、自分の意思と責任で行動する力を整えていく。
思い立ったから動く、ではなく、
「なぜ、今それをやるのか?」
「それを現実の形にするために、何が必要か?」
そんな問いを、自分自身に返しながら、
人生の“土台”を強化していきます。
土星と海王星が牡羊座へ ー時代の転換点ー
トランジット土星 × 海王星の基本情報
・土星:約29.5年で黄道を一周→ 各サインに約2年半滞在
・海王星:約165年で黄道を一周→ 各サインに約13〜14年滞在
2025年、占星術的に見てひとつの大きな節目が訪れます。
それは、土星と海王星という、社会や時代の土台に関わる2つの天体が、わずか2ヶ月の間に連続して牡羊座へと入室するという、とても象徴的なイベントです。
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2025年3月30日頃、海王星が魚座を離れ、一時的に牡羊座へ移動を開始。
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2025年5月25日、土星もまた魚座を離れ、牡羊座に入室。
牡羊座は、12星座のスタート地点。
「自我の目覚め」や「行動の初動」を象徴するこのサインに、
・夢・直感・集合意識を司る海王星と、
・現実・構造・責任を司る土星が重なることで、
私たちは今、幻想から目覚め、意志を持って“生き方を選び直す”ような時代の入り口に立たされています。
これまで曖昧にしていた信念や理想は、ここで現実性を問われ、
「それをどう形にして生きるのか」「社会の中でどう表現するのか」が、本格的に試されていくことになります。
土星と海王星による“時代の合意”が更新される瞬間
夢(海王星)を、形にする(土星)新たな方向性のスタート。
土星 × 海王星の会合周期(コンジャンクションの周期)
・土星と海王星は、約36年周期でコンジャンクション(0度)を形成します。
・直近のコンジャンクション
1989年3月:山羊座12度(ソ連崩壊などの時期)
・次回のコンジャンクション
2026年2月20日:牡羊座1度
→ 今回の牡羊座での“合”は、1989年以来約36年ぶり
土星と海王星の合は、約36年に一度のペースで起こる現象ですが、
2026年のコンジャンクションは、牡羊座1度という“黄道十二宮の最初の度数”で起こる珍しい配置です。
牡羊座1度は、「生まれたての意志」や「純粋な衝動」を表す場所。
「すべてのスタート地点」であり、「私はこう在りたい」「こう生きたい」といった、根源的な衝動や生命の勢いが最も純粋に表現されるポイントです。
そこに、
・土星(現実・構造・責任)
・海王星(夢・理想・集合意識)
という時代を象徴する2つの天体が重なるというのは、
単なる新しいサイクルの開始ではなく、私たちのビジョンと現実の“根本的な組み直し”が始まることを意味します。
1989年の山羊座での合は、社会の理想と現実のあいだに亀裂が入り、
制度や秩序のあり方が“現実に耐えうる形”へと修正されていった時期でした。
対して2026年の牡羊座での合は、「個人のビジョン」と「現実の土台」をどう一致させるかが試される、極めてパーソナルかつ集合的な転換点となるでしょう。
土星と海王星がともに牡羊座へと移動するこの数年間は、
私たち一人ひとりが「どんなビジョンを、どう現実として生きていくか?」を
本気で問われる、始まりの時間です。
夢だけでは進めない。
でも、現実だけでも前には進めない。
だからこそ、理想に骨を通し、意志に形を与える意識が重要になってきます。
誰かの理想ではなく、「自分が信じる世界」を、どのように築いていくのか?
その問いに向き合う勇気こそが、これからの時代の灯火になるのかもしれません。
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