回帰図シリーズ「土星からの挑戦状」〜サターン・リターン〜

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回帰図シリーズ「試練と成長の時」〜サターン・リターン

占星術には、回帰図というホロスコープがあります。

自分のネイタルホロスコープの天体の度数と、トランジット天体の度数がピッタリ重なる瞬間のホロスコープを使用して、その時の運勢の流れを読み取る方法です。

例えば、ネイタルホロスコープの太陽と、トランジットの太陽の度数が同じになったときのホロスコープは、太陽回帰のチャートになり、それを「ソーラー・リターン」と呼びます。

つまりは、ネイタル天体と同じ位置に、その天体が戻ってきた時。

リターンした時。

この瞬間のホロスコープを取り上げて、次の周期の流れを読み取る。というものです。

ということで、いろんなリターンがあるのですが、

今回はサターン・リターンを紹介したいと思います。

ネイタルホロスコープの土星の度数と、トランジット土星が同じ度数になった瞬間のチャートを、「土星の大人の階段を登る試験期間」として読む方法です。

サターンリターンは、「サタリタ」と呼ばれているメジャーな回帰図です。

サターンリターンの時期は、人生のステージに合わせた成長のテーマが強調されます。

土星が促す「成熟」や「責任」「抑圧」「制限」がフューチャーされるので、この時期には、辛い体験をする人も多くいるようです。

抑圧されて制限されて、身動きが取れなくなり、足掻き続けることもありますが、このような厳しい課題は、土星師匠からの「内面的な成熟を促す試験」。

土星は、私達を甘やかすことなく厳しく育てるタイプの師匠で、課題を乗り越えるための努力や忍耐。現実的な視点などを成長させる、という役割を担っています。

「サタリタ」は、約29.5年ごとに起こるので、多くて3回、体験する機会があります。

・一度目のサターンリターン: 28〜30歳頃

・二度目の次回サターンリターン: 57〜60歳頃

・三度目のサターンリターン: 約87〜88歳頃

・一度目のサターンリターン: 28〜30歳頃

この時期は、「大人としての第一歩」を踏み出す時。

日本では18歳から成人として扱われますが、20代なんてまだまだ若い。数多くの黒歴史を繰り返しながら、社会を知り、人生を学び、少しずつ内面的に成長していきます。

そして、ようやく大人としての自我が確立するのが一般的に30代前後。

と言うことで、1回目のサターンリターンでは、

「ちゃんと大人の意識が確立されているか?」

「社会全体、仲間全体のために責任を持てるようになったのか?」

という土星からの試験が出題されることになります。

1回目のサタリタで土星がチェックするのはこんな事柄。

*自分の立ち位置や目的の見直し。
仕事、家庭、健康、財政、そして社会的役割など、各方面で現実的な責任と向き合えているか?
*不安やプレッシャーを乗り越える力があるか?
 この年齢では、今後の人生の方向性や自己の価値観に基づく選択を迫られるため、不安感やプレッシャーが増すことが多くなりますが、それに逃げずに、努力して立ち向かえるかをチェックします。
*関係性の再構築が出来るのか?
これまで築いてきた関係が見直され、再構築できる力があるのかをチェックします。これをきっかけに、結婚相手や新しいパートナーシップが築かれることもあります。

・二度目のサターンリターン: 57〜60歳頃

この時期は、「人生の第二幕を迎えるための節目」とされる年齢です。

子育てや、築いてきたキャリアなど、社会的な役割も終わる頃。

と言うことで、2回目のサターンリターンでは、

「この30年の中で、ちゃんと大人として成熟したか?何を築いてきたのか?」

「定年後の第二の人生とどう向き合っていくのか?」

という土星からの試験が出題されることになります。

仏陀は、それぞれの年齢によって課題は違うと仰っていて、「老年の課題は、今までの経験や知識を活かして自分をより良いに人間に成長させるのが大事だ」と説いています。

これから老後と呼ばれる人生を送るにあたり、自分を、より良い人間に成長させるために自分と向き合うのが、土星からの試験です。

2回目のサタリタで土星がチェックするのはこんな事柄。

自己の再定義
 子育てやキャリアのゴールが一段落し、それまで築いてきた「〜ちゃんのママ」「課長」と言うような社会的な肩書きがなくなった後、「自分はどのような私でありたいのか?」と、ちゃんと向き合えるかをチェックします。
*収穫の時期
初回サターンリターンから築き上げたものを振り返り、結果を享受する時期でもあります。「30代〜60代までの体験で自分は何を収穫できたのか?」を理解することが求められます。たとえ収穫が少なかったとしても、その現実を認めて、今後、修正するきっかけにする時期です。
*次の段階に向けた準備
この時期には、仕事を引退するか、または新たな役割を担うことを選択する人もいます。人生の知恵や経験を活かして、社会や周囲に貢献する方法を考えることができるか、土星はチェックします。

・三度目のサターンリターン: 約87〜88歳頃

この時期は、「人生の最終段階に差し掛かる節目」です。

この時期には、よりスピリチュアルで内面的な成熟が促されることが多いです。

3回目のサタリタで土星がチェックしたいのはこんな事柄。

*人生の総括

人生で達成したこと、経験したことを振り返り、受け入れる時期です。許せなかったことを許したりと痛みを手放すことが求められます。

*精神的な成熟

自分の価値観や信念が確立し、内面的な平和と安らぎを見出すことが重要になります。

という事で、サターンリターンの概要はこちらにまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

(以下の資料の画像をクリックすると大きくして見ることができます。)

以下に、サターンリターン図で要チェックポイントの読み方の説明資料をアップしましたので、ぜひ参考にしてください!

目次)


・私の土星師匠のタイプを知ろう(ネイタル土星のサイン)

・私の土星師匠が何を専門としているのかを知ろう(ネイタル土星のハウス)

・今回のサタリタの試練と責任の場(サタリタの土星のハウス)

・土星の力を再確認し力を養う(土星のサイン)

・土星のソフトアスペクトが示す人生の課題に向き合う力

・土星のハードアスペクトが示す試練や挑戦の強調

・サターンリターン期の輝ける場所(サタリタの太陽のハウス)

・サターンリターン期の輝けるスタイル(サタリタの太陽のサイン)

・サターンリターン期の心の支えとなる分野(サタリタの月のハウス)

・サターンリターン期の感情表現のスタイル(サタリタの月のサイン)

・サターンリターン期の自己表現の刷新(ASCのサイン) 




私の土星師匠のタイプを知ろう(ネイタル土星のサイン)

占星術の教えによれば、人は誰もが、自分だけのマイ師匠がついています。

その師匠は、めちゃ厳しくて、現実的で、色々とダメ出ししたり制限してきたりします。

なので、鬱陶しくなって遠ざけてしまったり、彼の指導に苦手意識を持ってしまうこともあるのですが、でも、彼は心の中に住んでいるので、しつこく何度も「責任を持ってやりなさいよ」とけしかけてきます。

愛ある師匠なんですよ。

褒めて尊重して伸ばすこともできるけど、厳しくすることで大きく成長するのも事実です。

占星術的には、この土星が与えてくる試練や抑圧などから逃げるのではなく、努力して獲得することで、社会的に活躍できる強味が成長すると言われています。

その土星が示す努力の方向性を知りたい方は、こちらの記事がお役に立つはずです。

12サイン別で様々なシュチュエーションを読んでみよう!/ 努力編

ここでは、自分の土星が、「そもそもどのようなタイプの師匠なのか?」を紐解くことから始めていきましょう。

ちなみに私の土星師匠は、牡羊座マスターです。

なので、イメージとしては武闘派で、ストレートに物を言ってくるタイプ。

情熱的で戦闘的でアクティブな師匠は、私にも「俺みたいになれ!」と言ってくるというね。

さらに詳しく読むのなら、サビアンシンボルを読んでみましょう。

私の土星のサビアンは牡羊座19度「魔法の絨毯」なので、どうやら、この師匠。

魔法の絨毯に乗って、アクティブに走り回っている、というイメージが浮かびます。なんか親しみが持てますね。

私の土星師匠が何を専門としているのか知ろう(ネイタル土星のハウス)

自分のマイ師匠のタイプのイメージが掴めたでしょうか。

この師匠たちは、それぞれ12個の得意分野を持っていて、自分が得意とすることを私達に押し付けてきます。

その押し付けてくる内容は、個人的に好きではないことだったりもするのですが、人生の途上で何度も、同じ課題をぶつけて無理矢理、向き合おうとさせます。

自分と同じスキルを身につけさせたい。ということです。

では、どんなスキルを身につけさせようとしているのか?はネイタルの土星が位置するハウスが示しています。

ネイタル土星のハウスから、土星師匠の得意とする分野と、どのような試練を与えてくるのかを探ってみましょう。

私のネイタル土星は、5ハウスに位置しています。

ということは、私の土星マスターは、

・牡羊座のマスター=武闘派で競争心旺盛で猪突猛進。
・牡羊座19度=魔法の絨毯=魔法の絨毯に乗ってアクティブに走り回っている。
・5ハウス=クリエイティブとかエンタメと恋愛とか楽しいことが専門分野。

ということになりますね。

このようにネイタル土星をみてみると、だいぶ、自分の土星師匠のイメージが掴めてきますね。

サターンリターン図において、土星のサインと度数は同じです。

しかし、ハウスは違ってくる人が多いかと思います。

なので、サターンリターン図でまず、注目するのは、土星のハウス。

私のネイタル土星は、5ハウスなので、基本的には、情熱的なクリエイティブと自己表現を鍛えられていることになるのですが、29歳に迎えたサターンリターン図の土星は、6ハウスにいました。

だとして、どっちのハウスが大事になるのか、混乱してしまったりするのですが、

この場合、5ハウスの情熱的なクリエイティブと自己表現を鍛えるために、6ハウス的な日常のルーティンが大事。日常の積み重ねに対する試練と責任が与えられる。として読みます。

「ネイタル土星のハウスをさらに強化するために、新たな分野の試練と責任が与えられる」として読むと読みやすいはずです。

ということで次に、サターンリターン図の土星のハウスをみてみましょう。

今回のサタリタの試練と責任の場(サタリタの土星のハウス)

私の前回のサターンリターン図では、土星は6ハウスにいました。

6ハウスは、日常を自己管理しながら実務能力を発揮するハウスですが、確かに、この年齢を境にして、日々、積み重ねていく力が身についたような気がします。

確かに、ネイタル土星の5ハウスが示す「クリエイティブ」は、楽しいことばかりでもなく、積み重ねて完成させることが大事です。

なので、前回のサタリタの時は、根気とか実務能力とかそんなものに対する責任や試練を与えられたのだと受け取っています。

土星の特質を再確認し力を養う(土星のサイン)

サターンリターン図の土星のサインと度数は、ネイタルの土星と全く同じです。

この時期は、改めて、自分の土星師匠と向き合う時です。

土星のソフトアスペクトが示す人生の課題に向き合う力

リターン図の土星のソフトアスペクトをチェックしてみましょう。

ソフトアスペクトをとっている惑星は、人生の試練や責任に対する問題と向き合う時に、力を貸してくれます。

土星のすぐ横に惑星が位置していたら、なんか意味がありそうだなーと思いますが、実際、とても意味があって、土星の力を増幅してくれる惑星がいる、ということになります。

土星に対して0度の場合は、力が増幅するので良くも悪くも出ることがあるのですが、それでも特徴的な配置になるので要チェックです。

また、以下の資料は、サターンリターン図の中の他の惑星とのソフトアスペクトとして読むことができますが、サターンリターン図と、ネイタルチャートを照らし合わせた二重円のアスペクトとして読むこともできます。

リターン図の土星に対し、ネイタルチャートの天体がソフトアスペクトをとっているか確認して、その天体の内容を読んでみてください。

*ソフトアスペクト=120度、60度、30度、72度、144度、0度(ソフトにもハードにもなる)

土星のハードアスペクトが示す試練や挑戦の強調

ハードアスペクトがあると、なんか辛そうなイメージが浮かんで落ち込みますが、「神は乗り越えられる試練しか与えない!」と言いますし、それに倣うのなら、「土星は乗り超えられる試練しか与えない!」と前向きに捉えて乗り越えていきましょう。

と言うことで、ハードアスペクト。

これを知っていれば、辛い試練や逆境に出会っても、「なるほど、土星師匠からのハードな挑戦状が届いたようだな」と、冷静に対処できるはず。

*ハードアスペクト=90度、180度、45度、135度、150度、0度(ソフトにもハードにもなる)

サターンリターン期の輝ける場所(サタリタの太陽のハウス)

サターンリターン図は、土星が主役ですが、リターン図の太陽も大事な要素。

その時期、自分らしく輝ける場所を教えてくれます。

私の前回のサタリタ図において、土星は6ハウスでしたが、太陽は2ハウスでした。

ネイタルの牡羊座5ハウス土星が示す「情熱的なクリエイティブ」に対する責任感を培うために、6ハウス的な日常の積み重ねという試練が与えられるのですが、一方、自分らしくあるために、この時期は2ハウス的な「価値と安定を築くこと」に焦点を絞ることで、自分らしく輝けるよ。ということです。

なんだか、ごっちゃになりますが、土星の試練や課題とは別に捉えて読むと、読みやすいはずです。

サターンリターン期の輝けるスタイル(サタリタの太陽のサイン)

サタリタ図の太陽のハウスが、「輝ける場所」だとするのなら、太陽のサインは「輝けるスタイル」です。

前回のサタリタの時の太陽のサインは魚座でした。

私のネイタル太陽は、射手座だけども、この時期は、魚座的な資質を取り入れることで、より、ネイタル太陽射手座が輝くよ。

として捉えるといいはずです。

射手座なんだけども、この時期は、魚座的な共感力とか優しさ。また、スピリチュアルな知識などを学ぶといい。という感じです。

言われてみれば、この時期の私は、インドを旅していて、聖なるスピリチュアルな価値観に触れていました。

さらに細かく読むのなら、サタリタ図の太陽のサビアンシンボルも読んでみましょう。

自分が輝けるヒントが隠されているはずです。

サターンリターン期の心の支えとなる分野(サタリタの月のハウス)

サターンリターン期は試練の時。

ということで、この時期、自分の心が安らげるポイントを知っておくと便利です。

サターンリターン図の月のハウスで、どの分野が心を支えてくれるのか探ってみましょう。

サターンリターン期の感情表現のスタイル(サタリタの月のサイン)

この時期。

感情が、どのように表現されるのか?感情はどのようなことに敏感になるのか?

ということをサタリタ図の月のサインで知ることができます。

さらに細かく読むのなら、月のサビアンシンボルも探ってみましょう。

月のサインやサビアンのエネルギーは、その時期の感情を充足させる方法が示されています。

サターンリターン期の自己表現の刷新(ASCのサイン)

サターンリターン図のアセンダントのサインは、その時期の自分が醸し出す雰囲気や、外から期待される姿勢が示されています。

自分を外に向かってどう表現していくといいのか?

そんなことをアセンダントのサインで探ってみましょう。

また、サビアンシンボルも役に立つはずです。

サターンリターン期の社会的な自己の確立(MCのサイン)

サタリタ期において、MCは、とても大事です。

土星は「社会に通用する私に鍛える」のが目的であるのに対し、MCも「社会的な私」を示す感受点ということで、どちらも「対社会」の意味合いを持ちます。

この時期、「MCのサインやサビアンシンボルが示す力を社会で発揮する私」を意識することで、社会での飛躍が期待できます。

ということで、「ここだけは読んでみよう!」という箇所の資料を作ってみましたが、サターンリターン図もネイタルチャート同様、全部の天体を考慮することができます。

特に、

・天体が多いハウス

・アングル近くにある天体

・アセンダントのサインの支配星の位置

・MCのサインの支配星の位置

・目立つ複合アスペクト

などは、取り上げて読んでみるといいはずです。

サタリタの時期は、一気に大人への階段を登れるボーナスチャンスの時期。

土星が望む方向から外れている場合は、現実的に辛いなーと思うことも多くなるけど、土星が与えた課題に真摯に取り組んでいる人の場合は、成功へのプロセスを歩む時期にもなります。

もちろん、土星からの挑戦状を放り出して逃げることもできるのだけど、できれば、勇気を出して挑戦する自分で在りたいものですね。

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yura
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